Selected Film Works

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Stills from The Cats Dance at Night, 2021

《猫たちは夜踊る / The Cats Dance at Night

HD Video, 09m09s, 2021


横浜市営地下鉄踊り場駅周辺に伝わる猫踊りの伝説に関するリサーチをもとに制作。現在では愛らしいペットとしても絶大な人気を誇る猫だが、かつては国内外で娼婦や身持ちの悪い女性、魔女といったものに例えられ、猫が集まると何か不気味なことが起こると恐れられてもいた。時代と共に変化する猫たちと人間の関係は一体何を表象してきたのか。また、その猫たちと対局に位置づけられてきた犬たちは、人間にとってどのような存在だったのだろうか。これは猫たちの物語であると同時に犬たちの物語でもあり、そして私たちの物語でもある。


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Installation view at "Koganecho Bazaar 2021 Making Side by Side", 2021
Stills from The Cats Dance at Night, 2021



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Stills from The well of an inkstone, 2021

《硯の海 / The well of an inkstone

HD Video, 05m54s, 2021


Artist in Residence Program @MORIUMIUS 滞在中に制作した作品。宮城県石巻市雄勝町に古くから伝わる伝説「疱瘡婆」と、その雄勝町の名産品である雄勝硯をこよなく愛した独眼竜伊達政宗。伊達政宗が独眼と言われる所以は、彼が幼少期に天然痘(疱瘡)を患ったためだと言われている。かつて多くの人々を苦しめた天然痘(疱瘡)をめぐる2つの物語を交差させることで、コロナ禍と呼ばれる2021年現在において困難になりつつある「他者」との対話を試みた。


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Stills from The well of an inkstone, 2021


Stills from The Salvia, 2021

サルビアの花 / The Salvia

HD Video, 10m19s, 2021


2020年の夏、本来は東京でオリンピックが開催されるはずだったこの時期に、私は福島を訪れた。福島がいわゆるフクシマとして語られるようになってまもなく10年が経とうとしているが、私の訪れたその場所では、東京五輪開催を機に様々な復興計画が進められていた。福島のための復興計画が、福島ではなく東京に向けて進められているという事実。それはまるでゴールの存在しないマラソンを走り続けているかのように、行き場のない疲労で覆われていた。

福島県会津地方では、かつて会津を襲った大地震からの復興の際活躍した赤い牛の伝説や、赤べこの玩具が疱瘡(天然痘)から人々の命を守ったという伝説が残る。東日本大震災から10年が経ち、コロナウイルスが世界的に流行している2021年、会津地方の名産品である赤べこがお守りとして大きな注目を集める一方で、東京オリンピックの公式通販サイトではジャパンブルーの真っ青な赤べこが販売されていた。

「サルビアの花」は、1964年東京オリンピック銅メダリストで福島県須賀川市出身のマラソンランナー、円谷幸吉の半生をモデルに、赤べこが東京から福島まで向かう様子を描いたロードムービーである。かつて円谷幸吉が地元須賀川の町をオリンピック聖火ランナーとして走った際は、聖火に似ているという理由からサルビアの花が大量に飾られたのだという。2020年当時、須賀川市では1964年の聖火リレーを再現するかのようにサルビアの花が大量に栽培されていた。その鉢には円谷幸吉の座右の銘として知られる「忍耐」の文字が刻まれている。

Stills from The Salvia, 2021



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Installation view at "Surface and Depths", 2020(Photo: Hikari Okawara)

《見えない川を辿る / Touch the invisible river

HD Video, 05m36s, 2020


横浜市中区一帯を流れる千代崎川という川がある。関東大震災の際、この川の下流地域では火災が発生したが、頼みの綱であった川の水は土砂崩れによりせき止められてしまっていた。そんな時、偶然にも付近にあった麒麟麦酒の工場が崩壊し、大量のビールが川に流れ込んだ。一見消火には適さないように思える嗜好品が、人々を、このまちを、救ったのだった。私は現在暗渠となっているこの川の過去を辿り、“無意味なもの”がもたらす多様性について考えた。


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Stills from Touch the invisible river, 2020



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Stills from Satchan, 2020

《さっちゃん / Satchan

HD Video, 09m20s, 2020


《さっちゃん》は市松人形を主人公としたフェミニズム民話である。宮城県に古くから伝わる「オオカミのまつ毛」という民話と私の親戚の「さっちゃん」の半生をモデルとして、物語は市松人形の「さっちゃん」とCGで作成された動物たちとの会話劇によって展開されていく。この作品では、皆に可愛がられて育った「さっちゃん」が、幸せを求め村で一番裕福なクマさんと呼ばれる男性と結婚し、そこで今まで自分の信じていた「幸せ」を疑うようになる。自分が夫のクマさんと対等の立場にないことに気付いた「さっちゃん」は山へ行き、そこに住むオオカミに自分を食べるようお願いするのだが、オオカミには「さっちゃんはまともな人間だから食えねえ」と断られてしまう。オオカミの言葉に従い村へ戻ったさっちゃんは、そこで自分だけがまともな人間であることに気付いてしまい、村から出て行くのだ。


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Stills from Satchan, 2020


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